サウナの水風呂が苦手な人に共通する理由。「入らない」でも整う?

  • 2023年10月25日
  • 2024年9月4日
  • 水風呂

「サウナは好きだけど、どうしても水風呂には入れない」という方も多いようです。

この記事では、水風呂を苦手と感じる原因や、その克服方法について解説していきます。

サウナの水風呂が苦手な人によくある理由は?

まずは、サウナの水風呂が苦手な人によくある理由を紹介します。

心臓がバクバクする

サウナ後の水風呂は、体温の急激な変化により交感神経が刺激され、心拍数が増加します。これが「心臓がバクバクする」感覚の原因です。

特に心臓に既存の問題がある人や高血圧の人は、心臓への負担が急激に増加するため、危険です。

サウナに入る時間の目安として、心拍数を測るのは効果的ですが、水風呂に入る際も心拍数を意識して測ってみてもよいでしょう。

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手首で心拍数をはかるイラスト

とにかく冷たすぎる

「冷たすぎる」と感じるのは、サウナで体が過熱した後、水風呂で一気に体温が下がるためです。

これは体の熱調節機能に大きな負担をかけ、痙攣や意識不明などのリスクを高める可能性があります。じょじょに体温を下げるなど、急な温度変化を避けることが求められます。

一般的に「冷たい!と感じる水風呂の温度は?

「冷たい」と感じる水風呂の温度は個人差がありますが、一般的には10℃から20℃の範囲が水風呂に適しているとされています。

特に、15度前後の水温が多くの人にとっては「冷たい」と感じる温度で、体への刺激が強いため、体温を効果的に下げるのに役立ちます。

しかし、これは一般的な指標に過ぎず、水風呂の温度に対する個人の快適さや耐性は、経験、個人の体質、外気温、体調などさまざまな要因によって大きく異なることがあります。

そのため、各人が自身に適した温度を見つけることが重要です。

足が痛くなる

足が痛くなるのは、冷たい水によって血管が収縮し、筋肉への血流が減少するためです。これは筋肉の痙攣や不快感を引き起こす可能性があります。

こまめにストレッチを行う、水風呂にゆっくりと入るなどの対策が効果的です。

息が苦しい

水風呂に入ると、冷水が肌に触れることで体はショック状態になり、呼吸が浅くなったり速くなったりします。これが「息が苦しい」と感じる原因です。

特に呼吸器に問題がある人は、窒息や呼吸困難のリスクがあります。水風呂に入る前に深呼吸をして、体を落ち着かせることが大切です。

サウナの水風呂が苦手な人が無理して入ると危険?

サウナの水風呂が苦手な人が無理して入ることは、身体にさまざまなデメリットや危険性をもたらします。

まず、急激な体温の変化は心臓に負担をかけ、不整脈や血圧の急上昇を引き起こすリスクがあります。これは、特に心血管疾患の既往歴がある人にとっては、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

また、強い寒冷刺激は血管の収縮を引き起こし、一時的に血流が減少するため、筋肉の痙攣や内臓機能への影響も考えられます。

さらに、強いストレス感が自律神経のバランスを崩し、免疫力の低下や疲労の蓄積につながることもあります。水風呂は無理をせず、自分の体調や感覚に注意深く耳を傾けることが重要です。

サウナの水風呂では死亡事故も……

サウナから水風呂に入ることで、急激な温度変化が発生します。それがきっかけで心臓に負担がかかり、気分が悪くなったり、倒れたりすることもあります。

最悪の場合、そのまま帰らぬ人になることも……。

実際に、旅行でサウナ施設に遊びに行き、3mの深さがある池に飛び込んだ後、溺れそのまま死亡してしまったという事故も起きています。

(参考:「サウナ」後に入った“池”で男性死亡 天然「水風呂」だったが…“水深3m”手をばたつかせ、救助も間に合わず|FNNプライムオンライン

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黒い背景とシャワーヘッド

水風呂でめまいがする感覚も危険?

水風呂でのめまいは、体が急激な温度変化に対応しようとする際の自律神経の反応と関係があります。

サウナの高温から水風呂の低温への急な移行は、血圧の急激な変動を引き起こし、脳への血流が一時的に減少する可能性があります。これがめまいの原因となり得ます。

この状態は、特に高血圧や心臓病の既往歴がある人、あるいは疲労や睡眠不足が重なっている場合には危険です。めまいは転倒のリスクを伴い、重大な事故につながる可能性もあります。

また、頻繁にめまいを感じる場合は、隠れた健康問題のサインかもしれません。そのため、水風呂使用時のめまいは無視せず、自分の体調と相談しながら安全にサウナを楽しむことが重要です。

サウナの「水風呂苦手」を克服できる入り方

水に打たれる女性

水風呂が苦手な方でも、少しずつ訓練することで水風呂に入れるようになることも。

ここでは、水風呂に苦手意識がある方向けに、克服できる入り方を紹介します。

足や下半身だけ入る

水風呂が苦手な方には、「足や下半身だけを入れる」方法が有効です。これは、体をじょじょに冷水に慣れさせるのに役立ちます。

具体的には、最初に足首から水に入り、次に膝、そして腰というように、段階的に深く入っていきます

この方法は、心臓にかかる負担を減らし、体のショックを最小限に抑えるため、特に高血圧などの既往歴がある方や初心者に推奨されます。

また、これにより、水の冷たさに対する恐怖感を和らげ、水風呂に全身を浸すまでの過程をスムーズに進めることができます。

水風呂の代わりにシャワーで済ませる

水風呂に抵抗がある場合、代わりに冷水シャワーを使用することも1つの方法です。

サウナから出た後、シャワーを使って体温をゆっくり下げていくことで、水風呂に比べて衝撃が少なく、体への負担を軽減できます。

シャワーを使う際は、まずは手足から水を当て、胴体へと移動し、最後に頭部に水をかけるという順番が心臓への負担を減らします

この方法は、体への急激な温度変化を避けることができ、水風呂ほどの強いストレスを感じにくいため、水風呂が苦手な人には特におすすめです。

サウナハットをかぶった男性
サウナ小僧は自宅での温冷交代浴のほうがととのう日もあります。
45℃の湯船に15分浸かり、水シャワーを火照りがとれるまで浴びた後、ベランダのチェアーで涼みます。一度ためしてみてください!

 

呼吸を整えてから入る

水風呂が苦手な方は、冷たい水に入る際の「呼吸のコントロール」に焦点を当てることが効果的です。

サウナから出た直後は、深呼吸をして心拍数を落ち着け、リラックス状態に移行します。水に入る前にも数回深く息を吸い、ゆっくりと息を吐きながら水風呂にゆっくりと入ります。この際、息を止めるのではなく、リズミカルに深呼吸を続けることが重要です。

この方法は、心拍数の上昇を抑え、体の緊張を和らげる助けとなります。

また、意識的な呼吸は心理的な不安をも軽減し、水の冷たさに対する恐怖を和らげるため、水風呂への抵抗を自然と克服する手助けとなります。

サウナは水風呂なしでも整えるの?

サウナは水風呂なしでも整えるのか、という問いには、「人によって異なる」と答えるのが妥当です。

サウナの真の目的は体を温め、リラックスさせることにありますが、水風呂の利用は体感温度の急激な変化をもたらし、血行促進や自律神経の調整に貢献します。

しかし、水風呂が苦手、または健康上の理由で避けたい人もいるでしょう。

その場合、シャワーを利用したり、サウナ後に十分な休憩を取ることで、体温調節やリラクゼーションを図ることが可能です。

「どうしても整いたいんだ!」というサウナーもいるかと思いますが、本当に大切なのは、自分の体調や好みを理解し、無理なく快適に過ごせる方法を見つけることです。

サウナ体験は個人の感覚に大きく依存するため、一概に全ての人に同じ方法を推奨することはできません。

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蛇口から水風呂に注がれる水

サウナで水風呂が苦手なら無理して入らなくてもOK

水風呂に苦手意識を持つ方のほとんどが、その「冷たさ」にキツさを感じているようです。

どうしても無理!という場合は、水風呂に入らないほうがベターです。紹介したように水シャワーや足、下半身だけの入浴でも気持ちよさを感じることはできます。

どうしても水風呂に入りたい……という方は、水風呂の温度がさほど低くないサウナ施設で特訓してみてはいかがでしょうか

サウナイキタイなどの口コミサイトを覗けば、水風呂の温度が丁寧に掲載されています。

自分なりのサウナの楽しみ方を見つけられるとよいですね。