サウナの起源と歴史。発祥はフィンランド?日本のサウナブームの変遷とは


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今では老若男女に親しまれているサウナですが、みなさんはどのようにサウナが生まれたのか知っていますか?

「サウナがどんな経緯で誕生したのか」「そもそもどこが起源なのか」「日本にはどのようにして伝わったのか」など知らないことが多いのではないでしょうか。

今回はサウナの歴史について、起源や発祥、これまでの変遷などについて紹介していきます。

サウナの起源は?

日本でも大人気のサウナですが、そもそもどのようにして生まれたのでしょうか。我々が日々利用している綺麗なサウナ施設が、昔からあったとは考えにくいですよね。

この章では、サウナの起源について解説していきます。

サウナの発祥はフィンランド?

サウナの発祥フィンランドという説が強いです。フィンランドサウナという言葉もあるくらいなので、なんとなく知っていたという方も多いでしょう。

フィンランドのカレリア地方にて、食料庫や食料をスモークしていた部屋が沐浴する場所に変わっていったとされています。

フィンランドは国土の1/3が北極圏に位置しており、一年の半分以上が極寒の地域です。

そんな過酷な環境で生活しているフィンランドのフィン族が、寒さや労働での疲れを癒すために生み出したものとされています。

サウナの語源

サウナの語源はフィンランドの「蒸し風呂」という意味の「sauna」からきているとされています。

サウナが世界に広まったのはなぜ?

1936年のベルリンオリンピックが、サウナが世界に広まるきっかけになったといわれています。

当時のフィンランドチームが、疲労回復を目的に会場へサウナを持ち込んだことで、各国の選手たちに注目され、北欧やヨーロッパ諸国の選手たちが母国に帰ってサウナの存在を広めたのです。

そこから一気に、世界にサウナの文化が根付いたとされています。

ちなみに、2021年に開催された東京オリンピックではサウナが設置されていたみたいですね。

(出典:J-CASTニュース「日本のサウナと五輪の深い関係「メルボルン」出場選手が導入、「東京」で選手村に」)

フィンランドのサウナ文化について

この章ではフィンランドにはどのようなサウナ文化が定着しているのか、歴史とともに解説していきます。

フィンランドのサウナの歴史

もともとフィンランドでは、サウナを神聖な場所と位置付けていたと言われています。

出産や結婚式の前に体を清める場所、死者の体を清める場所などの目的としても使用されていたようです。

かつてのフィンランドでは、サウナを儀式などに使うことが多く、現代の使用目的とは異なる使われ方をされていました。

その後、徐々に生活に溶け込んでいき、我々と同じように疲労回復やリフレッシュなどの目的で利用されるようになったとか。

なぜフィンランドではサウナが定着しているのか。

フィンランドにはサウナがおよそ300万台あると言われています。これは、フィンランドの人口に対して一家に一台はあるという計算になります。

また、フィンランドで二番目に大きい都市である「タンペレ」という場所は、「世界のサウナの都市」として正式に認められています。

フィンランド人にとってサウナは、友人や家族との団らんの場所や、男女混浴で楽しむ社交場的なものとして位置づけているのです。

フィンランドのサウナの特徴

フィンランドのサウナと日本のサウナにはどのような違いがあるのでしょうか。

以下に、フィンランドと日本のサウナの特徴をまとめてみました。

フィンランド 日本
施設 施設自体は少なく、自宅や別荘にある。生活の一部というニュアンス 施設での利用がメイン。娯楽の一部というニュアンス
入り方 水着着用・男女混浴が多い 裸で利用。男女は別
種類 ・スモークサウナ
・木材加熱式サウナ
・電気加熱式サウナ
・ドライサウナ
・スチームサウナ
・フィンランド式サウナ
室内 テレビは無く、室内は暗め テレビがあることが多い。室内は明るめ
温度・湿度 75~85℃で湿度は高め 90~100℃で湿度は低め
水風呂 水風呂はなく、湖畔などに入る 水風呂がメイン
ロウリュ あり 施設によってあり

フィンランドはサウナの種類が日本よりも多く、景色を見ながら楽しむゴンドラサウナや、水面にサウナを浮かべた水上移動式サウナなどがあるようです。

日本のサウナの発祥は?

フィンランドから世界に浸透していったサウナは、いつ日本に登場したのでしょうか。

これもオリンピックがきっかけだと言われています。

1956年のメルボルンオリンピックにクレー射撃として参加した「許斐 氏利(このみうじと)」さんが、外国人選手が利用していたサウナに目をつけたそうです。

疲労回復に使われているサウナを目にして、帰国後、自身が経営している東京温泉に導入したのが日本のサウナ発祥とされています。

その後、1964年の東京オリンピックで選手村にサウナを要望する声が高まり実際に導入されます。結果、サウナは出場選手から好評で、この出来事をきっかけにサウナは日本で広まっていったといえるでしょう。

一方で、サウナの起源は日本であるという説もあるのです。これには驚きですよね。

日本には、もともと「蒸し風呂」の文化がありました。

蒸し風呂とは、洞窟などに火を焚いて熱気に満ちた室内に、海水や水を撒いて、蒸気が充満した室内に籠るものです。

奈良時代に入り、仏教が日本に伝わると、お寺に蒸し風呂ができたりするなど、日本式のサウナとして多くの人が利用していました。

蒸し風呂は現代でいうところのミストサウナに近いといえるでしょう。

サウナハットをかぶった男性
ちなみに、日本でのサウナ1号店は先述したとおり「東京温泉」とされています。温度は80℃前後ですが、壁や床に配管が通っていたためかなり熱かったそう。

日本のサウナブームの歴史

温浴施設の「ゆ」の文字

日本では何度かサウナブームが到来しています。2022年現在もサウナブーム真っ盛りです。

この章では、日本のサウナブームの歴史について解説していきます。

第1次サウナブーム(1964年)

東京オリンピックで注目を集めたサウナは、カプセルホテルスポーツ施設に併設されるようになり、一般の人でも気軽に利用できるようになりました。

しかし、時代背景的にも、このときはまだ「サウナは男性がいくところ」のイメージが強かったと言えるでしょう。

第2次サウナブーム(1990年代)

この時代の日本はまさに高度経済成長期です。

温浴業界では、温泉以外の施設を併設した健康センタースーパー銭湯が人気を集め、次から次に施設が増えていきました。

それまで、温浴施設は男性向けというイメージが強かったのですが、このあたりからファミリー向けやレジャー目的で利用されることが多くなったそうです。

サウナはもちろんですが、食事所やゲームセンター、岩盤浴など、お風呂にどのような付加価値を持たせるが注目されていたと言えるでしょう。

サウナハットをかぶった男性
この時代の発展はまさに今の温浴施設の原点と言えますね。

第3次サウナブーム(2022年~)

そして現代です。まさに今、世の中は第3次サウナブームの真っただ中。

本格的なフィンランドサウナの増加や、ドラマ「サ道」の放送、SNSの発展などが第3次サウナブームを生み出したと言えるでしょう。

2021年には、「ととのう」が新語・流行語大賞にも選ばれるなど、サウナブームはすさまじいです。

特にブームに拍車をかけたのがメディア。女性がサウナを楽しむ姿や、サウナが美容や健康によいというイメージを世の中に発信したことで、「サウナ=男性が行くところ」というイメージを壊し、利用者層を広げたと言えるでしょう。

また、最近では「個室サウナ」や「プライベートサウナ」などの少人数や1人で入れる施設も増えています。まだまだ第3次サウナブームは盛り上がっていきそうですね。

このように歴史を振り返ると、オリンピックや高度経済成長期など、サウナが発展したのは社会情勢の影響もあるのかもしれません。

ストレス社会と言われている現代と、第3次サウナブームもなんらかの接点があるのかもしれませんね。

起源や歴史を知ればサウナがもっと好きになる!

今回はサウナの起源や歴史について解説してきました。

こうやって歴史や発祥を知ると、今まで以上にサウナに魅力を感じるようになりますよね。

もしかすると将来、今では想像できないようなサウナが登場している可能性も。そんな妄想を膨らませながらサウナを堪能してみてはいかがでしょうか。