サウナで痩せないのは当たり前?ダイエットには効果がない3つの理由

サウナでたくさん汗をかくと、ちょっとした運動をした気分になって「もしかしたら痩せたかも?」と思ったことがある方も多いでしょう。

実際にサウナに入った後は体重が減っていることも。しかし、それは単に体の水分が汗で流れているからだとか……

この記事では、サウナにはダイエット効果はあるのか、実際にサウナに入っただけで痩せることはできるのかについて解説していきます。

サウナで痩せるは嘘?ダイエットには効果がない3つの理由

サウナに入ると痩せるのでしょうか。

サウナでは、有酸素運動をした後のように汗をかくので、ダイエットに効果があると感じる人も多いでしょう。しかし、これは一過性の体重の増減の過ぎないと言われています。

結論からいうと、サウナに入るだけで痩せるということはありません

サウナにダイエット効果がない理由は以下の3つです。

  • 体が危険を感じて代謝を下げるから
  • 体温が高くなりすぎて、リパーゼが働かなくなるから
  • サウナ後の食事や飲酒で太るから

体が危険を感じて代謝を下げるから

サウナに入ると皮膚体温が上がります。

皮膚体温が上がっている間は、胃腸などを流れている血液が優先的に皮膚に流れるようになります。その結果、胃腸などの働きが悪くなり、消化活動の停滞や基礎代謝の低下を引き起こすのです。

つまり、サウナに入ると食べ物が消化されにくい体になってしまうといえます。

これを防ぐためには、食前後1~2時間はサウナの利用を避けたほうがよいでしょう。

(参照:現代ビジネス「寿命を縮める「サウナの禁じ手」10、お風呂研究家が教えます(早坂 信哉)」)

体温が高くなりすぎて、リパーゼが働かなくなるから

リパーゼとは、脂質の分解を促進してくれる酵素の1つです。

リパーゼは、平熱程度の体温がもっとも活性が高いといわれており、体温が高くなると効果が薄れていくとされています。

リパーゼはタンパク質でできており、熱に弱いため、サウナのように急激に体温が上がるような場所では機能しなくなるのです。

つまり、サウナに入ると脂肪を燃焼してくれる酵素が失活してしまうので、痩せにくくなるといえます。

(参照:わかなつみの発酵菌研究所「リパーゼとは?効果やおすすめの摂取法を解説!」)

サウナ後の食事や飲酒で太るから

ハテナな男性
サウナで汗を流したから、揚げ物やビールを飲んでも問題ないよね?

確かにサウナに入った後は体重が減っていることがあるので、「痩せた!」と錯覚する人がいますが、これは大きな間違いです。サウナ後に体重が減るのは、汗をかいたことによる一時的なものであり、サウナ後に水分を補給すれば戻ります。

発汗作用で体の水分が抜けているだけなので、脂肪が汗として流れているわけではありません。

そのため、サウナ後に油断してジュースやお酒、揚げ物などのカロリーが高いものをたくさん食べてしまっては、むしろ逆効果で太っていきます

サウナの消費カロリーはどれくらい?

サウナでの消費カロリーをほかの有酸素運動の場合と比較しました。

消費カロリー(1時間)
サウナ 150kcal
ウォーキング 200kcal
ランニング 500kcal

サウナでは、1時間で約150kcalを消費するといわれています。

つまり、10分サウナに入れば約25kcal、3セットだと約75kcal消費する計算です。

75kcalは350mlのビールを1本飲んだ時のカロリーと同等であり、サウナ後にジョッキのビールを飲んだ場合、それだけでサウナで消費したカロリーを摂取することになります。

また、白米100g(お茶碗1杯)のカロリーは156Kcalなので、サウナに1時間入ったとしてもお茶碗1杯分のごはんのカロリーを消費できないといえます。

つまり、サウナ利用での消費カロリーは高くないのです。

サウナは痩せる?痩せない?世間の声は

先述したように、サウナには直接的なダイエット効果はないといえます。

しかし、世の中には「サウナで痩せた」と思っている人が少なからずいます。サウナで痩せるのか、痩せないのかについて実際の声を紹介します。

理由はどうあれ、世間的にはサウナで痩せたという人と痩せないという人の意見は両方あります。また、体重が減った=水分が排出されたと考える人もいますね。

痩せるサウナの入り方はある?

サウナハットをかぶりサウナハットをかぶる太った男性

結論として、サウナに直接的なダイエット効果は期待できないといってよいでしょう。

ただし、全く効果がないというわけではありません。

サウナのみで消費カロリーを増やすことはあまり期待できませんが、利用方法を工夫すれば痩せやすい体を作っていくことは可能です。

この章では、サウナの痩せやすい入り方を解説していきます。

サウナに入る前に体を洗い、お風呂につかる

サウナ前にしっかりと体を洗い湯船に浸かることで、毛穴に詰まった老廃物が落ち、サウナに入った際に汗が出やすい状態になります。

また、長く湯船に浸かることで血行の流れがよくなるため、サウナでの代謝向上を促進します。

サウナから出たら毎回水分を補給する

サウナでは汗を大量にかきます。そのため体では水分が常に足りていない状態に……

水分をこまめに補給することで、脱水症状を抑えられるだけではなく、汗をかきやすくなり老廃物の排出にも効果的です。

食前後1~2時間は避ける

先述したように、体温が高くなると消化器官の血液が優先的に皮膚へ送られるようになり、消化活動が停滞します。

特にお腹に食べ物が入っている状態では、消化不良を引き起こしかねないので、健康上もよくありません。

そのため、食前後1~2時間を空けてサウナに入れば、効率よく全身に血液を流せるでしょう。

全身に血液が巡れば発汗量が増え、老廃物が汗といっしょに流れやすくなります。

サウナハットをかぶった男性
空腹状態でサウナに入ると低血糖で危険です。サウナ前にはフルーツジュースや果物を摂取しておくとよいでしょう。

サウナよりも岩盤浴のほうがダイエット効果が高い?

サウナのほうが、岩盤浴よりもたくさん汗をかくので痩せやすいだろうと思う方も多いでしょう。

しかし、実際には岩盤浴のほうがサウナよりもダイエット効果が高いとされています。

岩盤浴はサウナに似ていますが、”ダイエット”という観点から見てもなる部分があります。

サウナ 岩盤浴
室温 80~90℃ 40~50℃
温め方 サウナストーブやロウリュ 遠赤外線

表のように、サウナと岩盤浴は室温が異なります。

岩盤浴はサウナと異なりゆっくり体を温めていきます。岩盤浴では、汗腺ではなく皮脂腺から汗が出るとされています。

そのため、脂肪分を含んだ汗をかけるのです。つまり、岩盤浴に入れば脂肪を燃焼しながら汗をかいているということになります。

岩盤浴のほうがサウナよりもダイエット効果が高いなんて意外ですよね。

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岩盤浴のスペース

サウナに頼りっきりのダイエットは逆効果

サウナで発汗し、老廃物を流すことで痩せやすい体質を作れます。

しかし、それはあくまで“瘦せやすい”状態になっているだけです。

サウナ後にたくさんご飯を食べたり、飲酒や甘いジュースを飲んだりすれば、カロリーオーバーで太っていくのは明白……

サウナだけで痩せることはなく、運動や食事環境の改善、生活習慣の見直しがあってこそダイエット効果が高まると言えるでしょう。

ダイエットの1つとしてサウナを利用すれば、リフレッシュしながら楽しく続けていけるのではないでしょうか。