サウナブームにより、耳にすることが増えた「ロウリュ」という言葉。温浴施設でも最近では頻繁に見かけるようになりました。
ロウリュはアロマ水をサウナストーンにかけることで、蒸気が発生し、その香りを楽しむサウナならではの楽しみ方です。
しかし、ロウリュは時にサウナーを襲います。「ロウリュが熱すぎる!」「やけどした」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ロウリュの効果から熱すぎる場合の対策について紹介していきます。ぜひ、ロウリュを楽しめるよう実践してみてくださいね。
サウナーに大人気!ロウリュとは
このように、「ロウリュ」について曖昧な方も多いはず。
まずは、ロウリュの意味や種類などの基本情報について解説していきます。
「ロウリュ」の意味
ロウリュはフィンランド語の「löyly」からきており、「蒸気」を意味しています。
サウナの本場フィンランドでは、熱せられたサウナストーンにアロマ水などをかけて、蒸気を発生させる入浴方法が主流。
蒸気がサウナ室内に充満することで、体感温度が上がり発汗が促進されます。その結果、より心地よい感覚を得ることができるとされています。
ロウリュの種類
ロウリュにはいくつか種類があります。
- セルフロウリュ
- オートロウリュ
それぞれ解説しますね。
セルフロウリュ
セルフロウリュは、字のとおり「セルフのロウリュ」のこと。自分でサウナストーンにアロマ水をかけて蒸気を発生させるやり方です。
セルフロウリュが可能な施設では、サウナ室にアロマ水が入った桶と杓子が置いてあります。これらを使い、サウナストーンにアロマ水をかけ、蒸気を発生させて楽しみます。
湿度が上がるため、実際の室温は下がりますが、体感温度はぐんと上がります。
最近増えているテントサウナでは、多くの施設でセルフロウリュが可能。自前のテントサウナがある人は好みのアロマ水を使用できるので、楽しみの幅も広がります。
オートロウリュ
オートロウリュとは、全自動でサウナストーンにアロマ水が噴射されるシステムのこと。
施設によって、15分おき、1時間おきなど噴射のスパンは異なります。
最近では、送風機が設置されており、アロマ水を噴射したあとに、風を送って体感温度をさらに上げるような場所もあります。室内全体へと蒸気を行き渡らせるという効果もあるんですよ。
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ロウリュとアウフグースの違いは?
ロウリュとアウフグースの違いが分からず、混同している人もいるでしょう。
一般的に、アウフグースはロウリュで発生した蒸気をタオルなどで仰ぎ、利用者に熱波を送る行為を指します。
アウフグースの発祥はドイツとされていて、パフォーマンスとしての意味合いもあるようです。最近では、アウフグースイベントを打ち出し、集客を図っている施設も増えてきましたね。アウフグースを求めてサウナ巡りをしている人も少なくないでしょう。
また、アウフグースをする人のことを”熱波師“と呼び、熱波師になるための検定試験などを実施している協会もあるようです。(日本サウナ熱波アウフグース協会)
有名熱波師になれば、あらゆる施設から仕事をもらえるようになるなど、今やアウフグースは立派な仕事になりつつあります。
ロウリュにはどんな効果がある?
サウナを利用した温冷交代浴は、自律神経を整えてくれるなど体にさまざまな良い影響を与えてくれます。
ロウリュにもプラスの効果があれば嬉しいですよね。
ここでは、ロウリュが体に及ぼすさまざまな効果について解説していきます。主なものは以下の3つ。
- アロマによるリラックス効果
- 美肌効果
- 疲労回復効果
それぞれ見ていきましょう。
アロマによるリラックス効果
ロウリュによる蒸気にはマイナスイオンが含まれており、その空間にいるだけでリラックス効果があるとされています。
また、アロマ水の種類は代表的な白樺をはじめ、シトラス、ユーカリ、ラベンダーなど多岐にわたります。お気に入りのアロマ水の香りを楽しむことで、リラックス効果もより高まるでしょう。
美肌効果
ロウリュをすると体感温度が上がり、発汗しやすくなります。
たくさんの汗をかくことで毛穴が広がり、皮脂や汚れが流れ落ちていきます。これにより毛穴が掃除され、肌の状態が良くなるのです。
また、大量の汗をかくため、ターンオーバーの促進やデトックス効果も期待できます。
「サウナは体にいいとは聞いたことがあるけれど、肌にはどうなんだろう? 」 「サウナは好きだけど、熱いから肌荒れが悪化しそう……」 サウナは灼熱の非日常空間。そんな場所に肌をさらしたら何かしらの悪影響がありそうだと思えてしまいます[…]
疲労回復効果
サウナに入ると血流が良くなり、取り込む酸素量も増えます。そうすると体内の乳酸や疲労物質の排出が促進されるといわれています。
また血液の循環が活発になることで、肩こりや腰痛への改善も望めます。
ロウリュが体に悪いという噂の真相は?
一部のSNSやネットで「ロウリュは体に悪い」とささやかれています。
結論から言うと、体に良いか悪いかは利用方法によって変化します。
先述した通り、ロウリュには疲れを癒す効果やリラックス効果などが期待できます。一方で、一気に湿度と体感温度が上がるため、体に負担がかかることも事実。
耐えられないほどの熱さを感じている状態から水風呂に入ると、一気に血管が収縮し、血圧は急上昇します。、これは脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性を高める行為です。
そのため、ロウリュのやりすぎは自制するのはもちろん、もともと血圧の高い方、心臓の弱い方は控えたほうがよいでしょう。
ロウリュが「熱すぎる」「やけどした」って人は多い?
ロウリュの特徴といえば、筆舌に尽くしがたいその熱さ。ただサウナに入っているときには感じない刺激的な熱さが全身を襲います。
そんなロウリュの熱さについて、世のサウナーはどのように感じているのでしょうか。実際の声をTwitterから抜粋して紹介します。
ロウリュ熱すぎて動いてないのに熱いよッッッッ!!!!!!!、!ってなってた pic.twitter.com/CAugoQ3DC4
— ぷい (@PB_515) November 11, 2022
かなり無茶苦茶なロウリュだった。やけどレベル。 pic.twitter.com/ZTiYOBmmqW
— シダトモヒロ (@bikke4126) October 31, 2018
ロウリュのやけどヤバイ pic.twitter.com/ucWlhD7rP2
— よしあ (@YOSHIA75) May 16, 2013
ロウリュ中にアロマの香りを全力で楽しむと鼻の中を火傷しますので、自然な呼吸の中でお楽しみください。
— Takady Yuyeah (@takady_yuyeah) May 16, 2022
ロウリュが熱すぎて肌の色が変化したり、やけどに近い症状になったりしてしまった人はやはり多いみたいですね。
過度な熱さは危険なので、ロウリュをする際は慎重に様子をうかがったほうが良さそうですね。
ロウリュが熱すぎる場合の対策は?
「ロウリュをもっと楽しみたいのに、熱すぎるから出ざるを得ない……」という気持ち、痛いほど分かります。
やけどをする前にサウナ室から出るのは大前提ですが、工夫次第ではロウリュの熱さを軽減することができます。
ここでは、ロウリュが熱すぎる場合はどんな対策が効果的なのか紹介します。
- サウナハットを被る
- できるだけ下段に座る
1つずつ解説していきます。
サウナハットを被る
サウナの上段が熱いのは周知の事実ですよね。熱は上部にこもりやすいため、頭からだんだんと熱くなっていきます。つま先が最初に限界を迎えた、ということはなかなかないでしょう。
サウナハットは頭を守る役割をしてくれます。また耳まで隠せるので、熱が集中しやすい末端の保護もしてくれます。
そのため、サウナハットを被ることは単に頭皮を守るだけでなく、熱さによるさまざまな負担を軽減してくれるんです。
できるだけ下段に座る
先述しましたが、サウナの室温は上段にいけばいくほど高くなります。それはロウリュをすればなおさらです。
そのため、熱すぎる場合は下段に座り、体感温度を下げると良いでしょう。下段に座るだけで、温度の感じ方は異なるはずですよ。
セルフロウリュはマナーを守って利用しよう!
今回はロウリュをもっと楽しめるよう、さまざまな視点から解説しました。
最近ではロウリュが利用できる施設はかなり増えてきました。ロウリュを気軽に楽しめるようになったぶん、今後はより一層利用者のマナーやモラルが問われます。
ロウリュをするときは「周りの人に一声かける」、「過度なロウリュはしない」など、周りのサウナーの迷惑にならないように気を遣いましょう。
また、施設によっては、「一度アロマ水をかけたら砂時計をひっくり返して、砂が落ちきるまで水をかけないでください」や、「サウナストーンが完全に乾くまでロウリュをしないでください」といった注意書きが貼られています。
これは、サウナストーンの品質維持や機械の故障を防ぐためのルールです。
当たり前のマナーやルールは当たり前に守って、ロウリュの心地よさを存分に味わってくださいね。