サウナ依存症かも?水風呂のトランス状態は体に悪い合法麻薬なの?

昨今のサウナブームにはものすごい勢いを感じますよね。若い方から年配の方まで、多くの人がサウナを利用しています。私もそのうちの一人です。

サウナには健康効果や美容効果を期待できますが、使用回数や頻度を守らないとかえってデメリットになったりもします。

”ととのう”状態を求めて何度もサウナに通う様はまさにサウナ中毒、サウナ依存症ともいえるでしょう。

今回は「サウナに入りすぎるとどうなるの?」「サウナ依存の症状は?」などの疑問を抱いている方へ向けて、サウナ依存症について紹介していきます。

まるで合法麻薬?サウナ依存症の特徴

かなり物騒な見出しですが、意味合いとしてはあながち間違っていません。

サウナや水風呂に入ると、“ととのう”状態になることがあります。

これはサウナトランスともいわれており、温冷交代浴を繰り返すことで血流がよくなり、脳内が活性化されることによるものです。

サウナトランスに入ると、頭がぼーっとしたり、ふわふわして気持ちがよくなったりします。その様がまるで麻薬を使用した後の感覚に近いのでは?という理由から、サウナは脳内麻薬や合法麻薬といわれることがあるのでしょう。

もちろん本物の麻薬とは異なり、サウナトランスが直接的な健康被害を及ぼすわけではなく、法的な規制もないので、爽快感やリフレッシュを求めて頻繁にサウナに通う人は増えています。

ただしこの現象を言い換えれば、サウナ依存ともいえるでしょう。サウナ依存症の症状には以下のようなものがあります。

  • サウナに毎日入っている
  • サウナのことばかり考えている
  • サウナに行かないとそわそわしてしまう

詳しく解説していきます。

サウナに毎日入っている

サウナに毎日入りたいと感じているなら、サウナ依存症の可能性が高いです。

私も一時期、1日に何度も違うサウナ施設に通ったり、1週間ほぼ毎日サウナに行っていることもありました。

サウナハットをかぶった男性
サウナに入ると、ととのう体験が味わえるのをはじめ、健康面や美容面でも効果があると思っていたので、当時はサウナに入ったら入った分だけ健康になっていくと思っていました。

しかし実際は、過度に利用することで疲労感や倦怠感が蓄積されたり、髪や肌が傷んだりしてきます

「サウナに毎日でも入りたい」と思いだしたら危険サインだと思ってください。

サウナのことばかり考えている

サウナのことばかり考えている人もサウナ依存に陥っているといえます。

この状態になると、仕事中や勉強時も集中できずサウナ以外のことが考えられなくなってきます。

そもそも、リフレッシュのためにサウナがあるのに、サウナのことばかり考えてしまい、仕事や生活のパフォーマンスが落ちてしまっては本末転倒ですよね。

サウナに行かないとそわそわしてしまう

サウナに行っていないときに、行きたくてそわそわしているようであればサウナ依存症です。

サウナでの”ととのい”はやみつきになります。“ととのう”感覚を思い出して、サウナに行きたい欲望が高まってくると、集中力が欠けたり落ち着きがなくなったりします。

サウナハットをかぶった男性
私も一時期、週に5~6回サウナに通っていたことがあり、その時はサウナが無いと落ち着かない、サウナに入らないと寝れないなどの症状が出たこともありました。

これはまさに中毒症状といえます。アルコール依存症やニコチン依存症と似たような症状が出ることもあり、日常生活に支障をきたす場合は改善が必要です。

健康に悪い……。サウナ依存症のデメリット

サウナは正しく利用すれば健康面でのメリットがあります。しかし、過度なサウナ利用やサウナ依存に陥ると逆効果です。

ここではサウナ依存症のデメリットについて紹介します。

熱中症になるリスクがあがる

サウナに入ると言わずもがな高温の室内で大量の汗をかきます。そのため、体内からは発汗にともない水分が大量に排出されます。

こまめに水分をとればよいのですが、水分を摂取せずに何度もサウナに入っていると熱中症の重症化リスクが上がると言われています。

(参照:日本救急医学会「熱中症診断ガイドライン」)

脳梗塞や心筋梗塞のリスクがあがる

体内の水分量が少なくなると、体は脱水状態に陥ります。

脱水状態の体では血管内の水分も失われるため、血液の流れはドロドロした状態になります。血液の流れが悪くなると脳や心臓に運ばれる血液量が少なくなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります

サウナを利用する回数が増えれば増えるほど、心臓への負担は高まっていくといえるでしょう。

腎臓機能の低下

サウナに入る回数が多くなると、腎機能にダメージが蓄積されると言われています。

サウナに入り脱水状態が続くと血管内の血液がドロドロになり、血液が体中に行き渡りにくくなることで腎臓にも負担がかかります。

脱水状態の腎臓は「腎前性腎不全」と呼ばれ、尿細管の障害や腎臓への負担が大きくなります

腎機能へのダメージを軽減するためにも、こまめな水分補給は重要です。

(参照:PRESIDENT Online「「サウナで体調がととのう」はウソである…心臓血管外科医が心配するサウナに潜む4大リスク」

サウナ依存症を抜け出すコツ

水しぶきを浴びている外国人男性

サウナ依存は金銭面や健康面でもよい影響を与えません。

ここからは依存症を抜け出すコツを私の体験談も含めて紹介していきます。

毎日軽くサウナに入る

サウナにサクッと入ることを心がけると、徐々に依存症は緩和されていくでしょう。

なぜなら、サウナに長く入れば入るほど発汗量も多くなり体への影響も大きくなるからです。シャワーを浴びる感覚でサクッと入ることで、疲れを溜めることなくサウナを利用できます。

サウナに3~4分入り、水風呂ではなくシャワーで済ませ外気浴をする。それを1~2セット行い、自律神経が優位になる入り方をすることで、十分に爽快感を感じられます。

毎日繰り返せば、体の調子は上がりそうですよね。

サウナ芸人のマグ万平氏も

サウナハットをかぶった男性
3セットもしたら疲れてしまいますが、要は交感神経を起こした状態で仕事に向かえる入り方をすればいいんです。

と語っています。(ベストサウナ|書籍詳細|扶桑社より)

水風呂や外気浴はしない

これは私が実践していた方法です。

依存症になる大半の理由が「ととのいたい」からです。

ととのう状態は、急激に体を温め、急激に体を冷やすことで起こるとされています。そのため、ぬるめのシャワーを浴びて外気浴や休憩も1~2分に抑えるようにすれば、副交感神経の活性を防げます。

副交感神経が優位になると眠くなってしまい、脳がふわふわとしてきます。あくまでシャキッとした気分が残る程度で抑えるのがおすすめ。サウナに入る時間も5分程度がよいでしょう。

私はこのやり方でサウナ依存から脱却することができました。

サウナをやめる

この方法は最後の手段ですが、一度サウナをやめて改善を図るのが一番手っ取り早いです。一定期間サウナの利用をせず、依存レベルを下げることも効果的でしょう。

あくまでサウナは適度に入るのがポイント。依存症状がでるほどの利用はおすすめできません。

サウナの入りすぎは健康に悪い

ここまでサウナ依存症が及ぼす悪影響を解説していきました。

いくらサウナが好きとはいえ、サウナの過度な利用は体への負担も大きくなります。

毎日入りたいのであれば軽く、一回の利用は適切にという2点を覚えておきましょう。サウナといえど依存状態になってからでは抜け出すのが大変です。

何事もやりすぎは禁物。サウナも例外ではありません。日々の生活が豊かになるようにうまくサウナを利用しましょうね。